初心者の方必見!フィルムの種類のざっくり解説…新人研修にも!
フィルムの種類や規格っていろいろあってとてもややこしく感じますよね。フィルムの「種類」、「大きさ」と大きく2つに別けて考えるとかなりスッキリします。
あと表記については「フィルム」「フイルム」とどっちも存在します。写真は「フィルム」というのが一般的ですが・・・富士フイルムは社名としては大きい「イ」を使います。所説はいろいろあるのですが・・・脱線しすぎるのでここではやめておきます。
種類について ネガ・モノクロ(白黒)・ポジ
カラーネガフィルムとは?
もっとも一般的なフィルムがこのカラーネガフィルムです。「ネガフィルム」「ネガ」などと略して呼ばれることも多いです。
ネガフィルムは、その名のとおりフィルム上に色や明暗の反転した画像(陰画)をつくり、基本的に写真プリントをして楽しみます。また、最近はデータ化をしてスマホなどに取込んで映像を楽しむ方も増えてます。
また撮影時に多少の露出の失敗があっても、その特性である程度カバーする※ためとても使いやすいフィルムです。現像後、主にスリーブ(ネガシート)に入れられて手元に返却されます。
少しずつ店内現像処理できる店舗は減ってきましたが、カメラ店や、プリントショップなどで現像とプリントが受付可能です。
※露光の許容範囲(ラティチュード)が広いため、初心者や気軽な撮影時に用いられます。
モノクロフィルム/白黒フィルムとは?
上記と同様のネガフィルムのモノクロ版です。モノクロフィルムは、白と黒との濃淡で表現をするフィルムです。わかりやすくいえば、昔の写真のような色がついていない白黒写真を撮ることができます。
モノクロフィルムには「色がついていない写真ならではの格好良さ」という魅力があります。また、カラーフィルムと比べて保存性や粒子の細かさに優れるとされておりカラーフィルムでは漂白の過程で銀が取り除かれるのに対して、モノクロフィルムでは銀が画像を形成します。これによってカラーフィルムでは得られない粒子感があり、これもモノクロフィルムの人気の一つです。
さらに・・・モノクロフィルムなら、自分の手で「フィルムの現像」「印画紙へのプリント」を比較的簡単にできます。学校の写真部の暗室やおうちのお風呂場、押し入れの中でモノクロ現像をされた方も多いかと思います。
モノクロ現像は通常、カメラ店や、プリントショップではやっておりません。
また、白黒の中には、ネガフィルムと同じ現像液でも現像できる「C-41」の種類もあります。
亜種としてセピア調に撮影できるものも過去にありました。
最近はスマホやデジカメでもモノクロ撮影やカラー写真を色変換することが簡単にできます。
「格好が良い」であるとか「逆に新鮮」という理由から人気のあるモノクロですが
モノクロフィルムで撮影したカッコよさもぜひお試し頂ければと思います。
<補足:モノクロプリント注文時>
カメラ店やプリントショップでモノクロネガから焼き増しプリントを注文するときに「外注にだしますか?」と言われる場合があります。
これは、店頭は基本的にカラー写真をプリントする為のペーパーを使っておりますので店頭で処理すると本来のモノクロペーパーでプリントするのと色見・風合いが大夫違いが出ます。その為、店頭でプリントするか外注でモノクロペーパーでプリントするかを確認しているのです!
ポジ(リバーサル)フィルムとは?
ポジフィルムは別名リバーサルフィルムあるいはスライドフィルムなどとも呼ばれ、現像した際に「色・明るさがそのまま映し出される」フィルムです。昔はライトボックスやスライドビュアーを使って閲覧したり、スライドプロジェクターで壁などに投影して楽しんだり・・・
もちろんプリントを行うことも可能です。ポジ(リバーサル)フィルムは、どちらかというと雑誌・広告の撮影現場、教育機関や、病院、研究施設、建築など業務用途で使われることが多いフィルムでした。現像したあとに、シートに保存するスリーブ状態のものと、1コマづつカットしてマウントする保存方法があります。また、カラーネガフィルム同様にデータ化することも可能。
露光の許容範囲(ラティチュード)が狭いですが、色の再現性が高いために今でも一部のプロやハイアマチュアの間で好んで使用する方もいます。ただある程度カメラの知識・技術がないと失敗する可能性が高いフィルムでもあります。
インスタントフィルムとは?
チェキ・ポラロイドカメラやなどで使用されている撮ったその場で写真を見ることができるフィルムのことです。
主流の「自己現像タイプ」とほとんど無くなりましたが撮影後にカメラから引き出し、1分程度してから髪を剥離することで画像が得られる「ピールアパートタイプ」があります。
それぞれ、専用のカメラとフィルムが必要ですので組合せに注意しましょう!
大きさ・フィルムサイズについて
35mmフィルム/135フィルムとは?
最も一般的なフィルムサイズです。規格名の135(ISO1007)とフィルム幅 35mmとが混ざって「135mmフィルム」と言われる場合もありますがこれは間違いです。
パトローネと呼ばれる容器内にフィルムが巻き込まれるようにして入っているため、暗室でなくてもフィルム装填ができます。この技術が確立して世界中にフィルムカメラが拡がりました。
35mmフィルムは、縦幅35mmで両端にパーフォレーションと呼ばれる一定間隔で開けられた穴を持つ。これは35mm映画用フィルムを流用した名残りといってよいものだそうです。
特徴のひとつとして、規定枚数を撮り終わったら、再びパトローネに収納する“巻き戻し”という行為を必要とします。巻き戻しをしていないカメラの裏蓋を開けたら、撮影済みのフィルムが感光してしまい泣くに泣けない状況となってしまうので注意が必要です。
ブローニーフィルム/中判フィルとは?
ブローニーフィルムは120フィルム、または中判フィルムとも呼ばれ、フィルム幅は、61.5mm。中判カメラ用のフィルムである。35mmフィルムと異なりパーフォレーションはなく、遮光紙と重ね合わせてスプールと呼ばれる軸に巻かれている。
ちなみに、ブローニーとはコダックのカメラブランド銘で、ブローニーフィルムの呼び名は日本独自のもの(和製英語)である。また、遮光紙がなく120フィルムの倍の長さの220フィルムも存在したが、現在は製造されておりません。普通の35mmカメラではなく中判カメラで使用されるフィルムです。
その他サイズ
35mm、ブローニー以外はほとんど発売されておらず、現状なかなか手に入らないですが・・・。その他フィルムの種類として有名なものとしては、大判フィルム(シートフィルム)、110(ワンテン)/ポケット、127(ベスト判)、APS(アドバンストフォトシステム)、ミノックス判などがあります。
まとめ
ポイントとしてしては、「ネガ、ポジ、モノクロ」×「35mm、ブローニー」の組合せと考えればわかりやすいかと思います。
ここにフィルム感度、〇枚撮り(フィルム長さ)、デーライト/タングステンなのど発色の要素が絡んできます。
よく混同されるのは、フルサイズ、ハーフサイズ、6×6(ロクロク)、4×5(シノゴ)などはカメラ側の規格でこのあたりを混同するとものすごくややこしくなります。
「C-41」・・・プリントショップのカラーネガ現像機で処理可能
「B/W」「black&White」・・・専用の工場で処理が必要
「E-6」・・・・・・専用の工場で処理が必用